CO-SHA ソウゾウ プロジェクト
採択プロジェクトのご紹介
2023年度、審査によって採択され実行した、3つのプロジェクトをご紹介します。
①オープンスペースを広場にしない!多目的スペース利活用促進プロジェクト
団体名(主体名)、リーダーのお名前
一般社団法人まなびぱれっと、小泉 志信さん
プロジェクト活動の対象校
板橋区立板橋第十小学校
検討テーマ
「児童が探究し自律した学び手になるためのオープンスペース利活用空間設計」(空間レイアウト)
検討テーマ詳細
令和4年2月に竣工した新校舎には6箇所のオープンスペースがあり、児童自身の主体的・協働的な学びを育てる環境が構築されている。一方で、教員や学校管理者は、オープンスペースの活用に関する知識の不足から空間を満足に活かしきれておらず、設備やレイアウトも従来型のスペース等を参考に配置されていることから、多様な学びの提供に必ずしも最適化されていない。
そのため、6箇所のオープンスペースの利活用について全校生徒を対象としたワークショップを実施し、オープンスペース活用事例集の作成を行う。
審査のポイント
多目的スペース・オープンスペースの利活用は全国の自治体、学校が悩んでいるため、他の学校でも実施できるようなアイデアを板橋第十小学校から検討してもらいたい。
プロジェクト活動のまとめ
- 一つの学校の全職員にコミュニティマネジメントの内容を伝えた上で、子供の行動を設計をイメージした空間を作ることができた。
- 教員が空間を作る当事者意識を持ち、オープンスペースを活用しようと思えた。
- コンセプトをもって場を作ることで、オープンスペースの活用方針を定めることで、 教員間の意識の共有ができた。
- 発達段階に合わせたオープンスペースの活用方法を検討することができた。
最終報告書
まなびぱれっと最終報告書
②人を想い・我を磨く、湯沢町みんなの夢みる学園図書館プロジェクト
団体名(主体名)、リーダーのお名前
IMPULS合同会社、松田 菜穂子さん
プロジェクト活動の対象校
湯沢学園(新潟県)
検討テーマ
「学校図書館を拠点とした、オール湯沢・ラーニングコモンズの創造」(空間レイアウト)
検討テーマ詳細
保小中一貫教育を実施する町内で唯一の公教育施設・湯沢学園内にある「学園図書館」を拠点に、子どもたちの豊かな心を育み、全ての学習の基礎となる「本」との出会いを、町全体で支えるための「ラーニングコモンズ」をつくろうとするもの。具体的には、学園図書館内のレイアウトを変更し、廊下や地域交流センターなど子どもと子どもに関わる人が共有するスペースを活用し読書空間を拡張させることで、子どもたちが本や情報によりよくアクセスしたり、本を通した人との出会いや協働的・創造的な活動を促進したりするための、読書環境の整備・整美を目指す。湯沢学園の教育目標である「人を想い、我を磨く」に基づいた学園図書館を、地域の大人も交えてつくっていく。
審査のポイント
企画がかなり練られており、共創性、実働のイメージが湧いた。学校だけでなく、地域をも巻き込んだ取り組みに期待している。
プロジェクト活動のまとめ
- 授業時間外での個別最適な学びと協働的な学びのための空間(ハード)と機会(ソフト)の基礎を作ることができた。保護者・地域住民として関われるのは授業時間外。授業では扱わない内容を深めたり発展させたり、個々の興味関心を広げたりすることに対し、先生以外の大人が子どもの学びに寄与できる余地は大きい。
- 三角スペースから、「さんかく(参画)スペース」へ。そこにある本を開いて読んだり、椅子に座って談笑したり、掲示板を眺めたり、何か書き込んだり、図書室の中に立ち寄ったり、イベントに参加したりする子どもが増えた。さらに、図書室内の環境をよくしようと、図書ボランティアに声をかけてくる子どもも増えてきた
- 本の寄贈や休み時間のイベントにより、保護者以外の大人が学校づくりに関わる「関わりしろ」を作ることができた。
- 子どもに読んでほしいと思う本が増えた(約120冊)。子どもにどんな本を読んでほしいか、など考え始める大人が増えた。
- 地域住民・ボランティア・保護者と先生との距離が近くなった。継続配置・実施の方向で検討中。
最終報告書
IMPULS合同会社最終報告書
③学びの多様化チャレンジチーム
募団体名(主体名)、リーダーのお名前
横浜市立日枝小学校、学校長 加藤 智敏さん
検討テーマ
「特別支援」という表現を「学びの多様化」へ転換する
~わくわくルームの良さを一般教室へ広げていく第1歩〜(教室空間レイアウト)
検討テーマ詳細
教室に入ることに難しさを感じている、不登校傾向にある子ども達が通っている「わくわくルーム」では、教室に行くためのパワー並びに苦手にチャレンジするためのパワーをためる空間、自身の気持ちを知りコントロールする方法を学ぶ空間、自身のペースで学習ができる空間の両立を目的に、子どもたちとともにワークショップを実施し、空間のリフォームを行う。最終的には一般級にも展開できるような、すべての子どもたちが安心して学べる教室づくりを目指す。
審査のポイント
特別支援やインクルーシブな観点も含めた「学びの多様性」への取り組みはチャレンジングであり、進め方に悩まれている様子も見えた。CO-SHAでの活動を通して、「わくわくルーム」を発展させてほしい。
プロジェクト活動のまとめ
- 日枝小学校が大切にしている「生き生き日枝っ子」。このプロジェクトも、子どもたちが話し合いみんなの声で進められた。
- 改造計画に必要な予算組や手続きも、子どもたちが中心となり行った。
- わくわくルームから4年1組に取り組みが広がった
- 子どもたちは一貫して「安心・安全」な空間づくりを探究し続けていた。校舎づくりにこの概念がいかに重要であるかを伝え続けていた。
- 子どもたちが外部の大人とつながり連携しながら進めることができた。
最終報告書
日枝小学校最終報告書